オーストラリアのサイクロン調査:飛ばされた金属屋根は、ねじ穴周りの鋼板から割れていた
2024 年 10 月 3 日、台風が台湾・高雄を通過していた日に、掲示板 PTT で「鉄板を留めるねじがみんなさびている」から古いトタン屋根は飛ばされやすい、という投稿がありました。さびは目に見えるので、原因とみなされがちです。一方、1974 年のサイクロン・トレーシー後にオーストラリアで行われた調査は、別の仕組みを指しています。繰り返しの風圧でねじ周りの鋼板に疲労き裂が生じ、ねじ頭が穴から抜けます。問題はねじではなく鋼板の側にあります。本稿では二つの研究のデータを整理し、点検をどこから始められるか、そしてこれらの結果を台湾や日本の屋根材に当てはめるときの限界を説明します。読了まで約 11 分。
きっかけになった投稿
2024 年 10 月 3 日の午後、台風が高雄を通過しているさなか(返信には、雨風が弱まった間にベランダを補強してきたという書き込みもあります)、PTT の Kaohsiung 板で medama さんが「この台風のあと、鉄板屋根の建物を全面的に見直すのか」と問いかけました。 屋根がはがされる動画をいくつも見た、新しいものは風に強いはずだが、古いものは鉄板を留めるねじがさびていて、台風が来ると簡単に飛ばされる、という内容です。
百件を超える返信の多くは違法建築や選挙の話で、技術的な指摘は数件でした。「新築の工場も同じように飛んでいる」という返信と、この風ならねじがさびていなくても抜けるかもしれない、という返信です。 さびが唯一の原因なら、新しい工場まで飛ぶことは説明しにくくなります。どの返信にも裏付けはありませんが、答えるべき問いを示しています。ねじがさびていないのに屋根がはがれるとき、何が起きているのでしょうか。
この問いには、オーストラリアが五十年前、一つの都市の屋根を失って答えを出しています。
1974 年のダーウィン:問題は屋根材とねじの接合部にあった
Amy Lovisa さんが 2015 年に James Cook University に提出した博士論文は、サイクロン・トレーシーから書き起こしています。 引用されている Walker(1975)の被害報告によれば、ダーウィンでは住宅の 90% 超、その他の建物の 70% が屋根の外装を大きく失いました。 屋根の種類の中で被害の割合が最も高かったのは成形鋼板で、根本原因は「屋根材とねじの接合部の疲労」とされています。
それまでオーストラリアでは、屋根材の評価は静的なプルスルー試験(ねじ頭の抜け試験)だけでした。Lovisa さんは第 2 章で二つの抜け方の違いを整理しています。 静的なプルスルーは、ねじの周りが深く沈み込み、穴縁が放射状に裂けるほどの力が一度に加わって起こります。 疲労によるプルスルーは、それよりずっと小さい力で起こります。繰り返す負圧でねじ近くにき裂が生じ、それが広がって穴になり、ねじ頭が抜けます。
台風の風圧は一定ではなく、強弱を繰り返します。Lovisa さんが引く Holmes(2001)や Ginger ら(1997)によれば、軒先や隅角部は気流がはく離する場所で、負圧の変動が最も大きくなります。 壁に大きな開口ができると、室内の正圧が屋外の負圧に重なり、屋根にかかる正味の吹上げ力はさらに増します。 オーストラリアの建築規定が台風一回分の模擬に使う Low-High-Low 試験は約 10,000 回の繰返しです(Myuran と Mahendran 2017 が NCC を引用)。屋根材は一回ではなく、繰り返し引っ張られます。
壊れる順序:軒先の内側一列目から
Morgan と Beck(1977)は、トレーシー後の屋根材のき裂を実験室で再現したき裂と比べ、段階的に壊れていく経路をまとめました。 原論文は当サイトでは入手できていないため、以下は Lovisa 論文 §2.4 の要約に基づきます。
- 軒先近くの負圧の大きい範囲で、内側一列目のねじの周りに疲労き裂が生じる。
- 風圧が続く間にき裂が広がり、ねじ頭が鋼板を抜ける。
- そのねじが受けていた力が、隣の端部のねじに移る。
- 増えた力で端部のねじが静的に抜ける。
- 屋根材が一枚ごと外れる。
この経路では、先に壊れるのはねじ周りの鋼板で、ねじ頭が広がった穴から抜けます。二つの研究は、被災後のねじそのものの状態は調べていません。 Lovisa 論文の要約では、最後に端部のねじを外すのは静的なプルスルーで、始まりは内側のねじ周りの疲労き裂です。最後の瞬間だけを見ると、ねじが足りなかった、風が強すぎた、と判断してしまいます。 何回の繰り返しでき裂が生じるかについては、後の Table 3.3 は定振幅試験の値で、トレーシーで実際に屋根が受けた回数とみなすことはできません。 Myuran と Mahendran(2017)も、台風後の調査と過去の研究から、ねじ穴周りの低サイクル疲労き裂がプルスルーの原因であり、緩勾配屋根の軒先と棟の近くで起こりやすいと述べています。
き裂は鋼板の裏面から始まる
Lovisa さんは、オーストラリアで一般的な波形の屋根材から 720 × 150 mm を切り出して四辺を固定し、中央の一本のねじだけを繰り返し引っ張って、穴縁を顕微鏡とひずみゲージで観察しました。 試験片はすべて BlueScope 社の同じコイルから取った、板厚 0.42 mm の G550 鋼板です。
| 項目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 鋼種 | G550(規定最小降伏点 550 MPa) | §2.1 |
| 素地板厚 | 0.42 mm(オーストラリアでは 0.42 または 0.48 mm が一般的) | §2.1、§3 |
| 実測降伏応力 | 圧延方向 796 MPa、直角方向 877 MPa | Table 3.1 |
| 留め方 | 山一つおきに一本、六角座付きドリルねじと EPDM パッキン | §2.1 |
| 局部塑性変形(LPD) | ねじ 1 本あたり約 550〜650 N(Mahendran 1990a) | §2.5.1 |
LPD は、留めた山がつぶれて平らになり、留めていない隣の山がふくらむ点です。Beck と Stevens(1979)は、屋根材の疲労挙動がこの荷重に直接関係することを示しました。 Lovisa さんの記述では、LPD より低い荷重では穴縁に通常「星形」のき裂が、荷重の繰返しが LPD をまたぐと通常「H 形」のき裂が生じます。 下の表のエアボックス試験の H 形は、風圧で求めた荷重比が 0.86〜0.97 なので、「LPD を超えたら H 形」と単純化はできません。
観察された過程はこうです。星形き裂の長手方向の枝は、鋼板の裏面の引張側から始まり、最大せん断面に沿って板厚を貫きます。板厚を貫通してから、き裂は板の面内へ急に広がります。 Lovisa さんは長手方向 0.9 mm、幅方向 0.5 mm を、き裂の発生と進展の境目と定義しました。このとき、き裂はちょうど板厚を貫通しています。 この過程からの推論ですが(論文は現場点検の試験をしていません)、き裂は板厚を貫通してから上面に現れ、しかも穴縁はねじの座金とパッキンに隠れているため、屋根の上から見るだけでは初期のき裂を見落とすおそれがあります。 Lovisa さんも実験では裏面から観察しており、その理由を、裏面なら穴縁を遮るものなく見られるからとしています。
何回で割れるのか。Table 3.3 は、Lovisa さん自身の結果と Henderson(2010)の実大エアボックス試験の結果を、長さ 1 mm を超えるき裂を基準に並べています。
| き裂の形 | 試験 | 最大荷重 ÷ LPD 荷重 | き裂発生回数 |
|---|---|---|---|
| 星形 | 実大エアボックス(Henderson、5 体) | 0.71〜0.80 | 1,215〜6,830 |
| 星形 | 単独ねじ接合試験(Lovisa、3 体) | 0.72〜0.84 | 2,072〜2,958 |
| H 形 | 実大エアボックス(Henderson、4 体) | 0.86〜0.97 | 630〜1,676 |
エアボックス試験で LPD に相当する風圧は 4.5 kPa です。山がつぶれるより小さい力でも、ねじ一本の周りが千数百回から七千回繰り返し引っ張られると、き裂が生じます。 荷重比が近くても回数は開きます。0.79 の試験体は 1,215 回、0.80 の試験体は 3,351 回で、三倍近い差です。Lovisa さんは Mahendran や Henderson らの試験の破壊回数のばらつきを、論文の一か所では 30〜40%、別の箇所(実大試験)では 30〜50% と書いており、 Henderson と Ginger(2011)はその原因をねじの位置合わせ、締付けの程度、位置に求めています。
屋根材を強くすると、次の層が先に壊れる
トレーシー以降、試験法と屋根の設計が改められ、屋根材の疲労プルスルーは減りました。Myuran と Mahendran(2017)は、Boughton と Falck(2007)のサイクロン・ジョージの調査を引き、 破壊が次に弱い接合部、つまり母屋(バテン)を垂木やトラスに留めるねじへ移ったと述べています。風が屋根材を引き上げ、屋根材が母屋へ、母屋がトラスへ力を渡すので、最も弱いところから切れます。
二つの層の抜け方は異なります。屋根材は穴縁から割れ、母屋はねじ頭の周りが裂けて、ハット形母屋の二枚の下フランジをねじ頭が抜けます。 そのため屋根材用に作られた試験法は母屋にはそのまま使えません。著者らは G550、板厚 0.75 mm のハット形母屋と 10 ゲージの Teks ねじで、実大エアボックス試験と三種類の小型試験を行い、 ねじ 1 本あたりの静的プルスルー耐力(SPC)と繰返し荷重下の寿命を測りました。 実大試験の中央の重要な接合部は、先に引抜けが起きないようボルトとナットに替え、10g Teks ねじの頭で作った特製座金でねじ頭を模擬しています。
| 試験 | 最大繰返し荷重(% SPC) | ねじ 1 本あたり(kN) | 抜けるまでの回数 |
|---|---|---|---|
| 実大エアボックス、静的 | — | 3.25(平均) | — |
| 実大エアボックス | 100% | 3.25 | 635 |
| 実大エアボックス | 57% | 1.85 | 13,100 |
| 実大エアボックス | 40% | 1.30 | 37,781 |
| 2 スパン母屋、静的 | — | 3.07(平均) | — |
| 2 スパン母屋 | 50% | 1.54 | 12,290 |
| 2 スパン母屋 | 41% | 1.26 | 41,617 |
50% を下回ると繰返し数が伸びていくため(2 スパン試験で 50% は 12,290 回、41% は 41,617 回)、著者らは疲労限度を 40% SPC 付近に置き、工業用 G550-0.75 母屋の疲労プルスルー耐力は静的耐力の 40% と保守的にみなせる、と結論づけています。 ただし 40% でも最低約 24,000 回は耐えており、オーストラリアの建築規定が台風一回分として用いる Low-High-Low 試験は約 10,000 回です。10,000 回を基準にすると疲労耐力は 50% SPC、き裂を許さない場合は 45% になります。 設計式では、この低減を Rf として静的耐力式に組み込んでいます。φFov = φ × 8.68 × Rf × t² × fu(φ = 0.6、t はねじ頭が接する鋼板の厚さ、fu は実測引張強さ)。
この数字は「金属屋根の疲労強度は静的強度の 4 割」と伝わりがちですが、原文の 40% は母屋をトラスに留める層の値で、屋根材ではありません。 屋根材の層について Lovisa さんが引く文献は「ずっと小さい荷重」で疲労プルスルーが起こるとしか書いておらず、比率は示していません。
施工に直結する観察もあります。屋根の上からねじを打つと母屋が見えないため、ねじが母屋の中心線から外れたり斜めに入ったりしやすく、母屋がねじれて二本の下フランジねじの負担が不均等になります。 片方が 33〜50% 多く負担し、その状態が寿命の約 9 割まで続いたあと、そのねじが先に抜け、もう片方が静的に抜けました。研究者はこの影響を除くため、試験屋根では線を引いてからねじを打っています。
試験法の移り変わり
トレーシー以降、オーストラリアは屋根材の疲労試験を何度か改めています。Lovisa 論文 §2.4 の整理です。
| 手順 | 内容 | その後の評価 |
|---|---|---|
| トレーシー以前 | 静的プルスルーのみ | 疲労を見落とす |
| DABM(Darwin Area Building Manual) | 設計荷重 0〜100% を 10,000 回、最後に 180% を 1 回 | 実際のサイクロンと異なり厳しすぎる、暫定法 |
| TR440 | 簡略化した低—高の荷重列 | 台形板には保守的、波板には非安全側。トレーシーで壊れた仕様が合格した例あり |
| RBL(ランダムブロック荷重) | 設計サイクロンのうち 200 回を超えるブロックを 200 回以下に分け、ランダムに負荷 | 広く実施できるよう、Low-High-Low に簡略化 |
| Low-High-Low | 低・高・低の三段でサイクロンの通過を模擬。2007 年に Building Code of Australia が採用 | 現行。ただし組合せごとに原型試験が必要 |
荷重の順序が疲労寿命を左右するため、最大風圧だけでなく、台風が近づいて離れる過程を「低・高・低」で再現する形に落ち着きました。 TR440 の行が示すとおり、同じ手順でも台形板と波板で評価が逆になります。断面形状そのものが変数です。
Lovisa さんは Boughton ら(2011)のサイクロン・ヤシの調査も引いています。屋根材の疲労破壊はわずかで、確認されたすべての例で、ねじの間隔がメーカーの規定より広くなっていました。 また、設計級に近いサイクロンを受けた屋根は、飛ばなくてもねじ周りにき裂や変形が生じ、き裂のある屋根材は雨水の浸入やさびを避けるために交換が必要だ、と書いています。
台風の前後に、点検と施工でできること
以下は二つの研究をもとに当サイトがまとめた判断の順序です。どちらの研究も現場点検の手順は示しておらず、日本や台湾の屋根で試験をしたわけでもないので、次節の限界とあわせて使ってください。
1. 軒先・棟・隅角部の内側一列目から見る。 Morgan と Beck の破壊経路は軒先の内側一列目から始まり、Myuran と Mahendran は緩勾配屋根の軒先と棟の近くで疲労プルスルーが起こりやすいとし、 Lovisa さんが引く風圧の研究は軒先と隅角部で負圧の変動が最も大きいとしています。この三か所をまとめて優先順位にしたのは当サイトの整理です。
2. ねじ頭だけでなく、ねじ周りの鋼板を見る。 き裂は裏面から始まり、貫通してから外へ伸び、穴縁は座金の下に隠れるので、上から見るだけでは初期のき裂を見落とすおそれがあります。 屋根の上から判断する手がかりは二つの研究のどちらも示しておらず、当サイトも一覧にはしません。室内から屋根材の裏面が見える場合は、裏面から穴縁を見ることができます。これは Lovisa さんの観察方法から当サイトが考えた提案で、現場での効果は検証されていません。
3. 台風後、穴縁にき裂のある屋根材は交換する。 Lovisa さんが交換が必要としているのは、き裂のある屋根材です。変形だけでき裂のない屋根材を交換すべきかは、論文では個別に述べていません。 ねじだけ新しくしても、隣に一本足しても、き裂は元の屋根材に残ります。これは当サイトの判断で、二つの研究はねじの交換や追加の効果を試験していません。
4. ねじ間隔は屋根材メーカーの規定どおりにし、端部で減らさない。 ヤシで見つかった疲労破壊は、すべて間隔が規定を超えていました。一本減ればその分の力が隣に回り、表では荷重比 0.71 の試験体が 6,830 回でき裂を生じたのに対し、0.77〜0.80 の四体は 1,215〜3,351 回でした。
5. 屋根材のねじは母屋の中心線に、垂直に打つ。 外れたり斜めに入ったりすると母屋がねじれ、負担が偏ります。Myuran と Mahendran の試験屋根は線を引いてから打っており、母屋が見えないときはこれにならって墨出しをしてから打てます。 ドリルねじのドリル能力と締付け可能厚さについては、当サイトの別記事締付け可能厚さとドリル能力があります。
6. 次の層も点検する。 オーストラリアでは屋根材の層を改善したあと、破壊が次に弱い接合部、つまり母屋をトラスに留めるねじへ移りました。論文は点検手順を定めておらず、この層を点検に含めるのは当サイトの提案です。 薄板にねじを留めるときのねじ山のかかりは別の静的な問題で、板が薄すぎると、ねじ山を保持できなくなりますを参照してください。
投稿にあったさびについて。二つの研究はどちらも腐食の影響を測っていないため、本稿はこの台風でさびがどれだけ効いたかを判断せず、数値も推定しません。 保管中のねじの白さびは別の話題で、当サイトの別記事締める前に白くなったねじにまとめています。
オーストラリアの G550 鋼板が、台湾や日本の一般的な屋根材と同じとは限りません
二つの研究が使ったのは、どちらもオーストラリアの G550 高強度薄鋼板です。屋根材 0.42 mm、母屋 0.75 mm。Lovisa さんは G550 を規定最小降伏点 550 MPa と書き、Myuran と Mahendran は母屋について最小引張強さ 550 MPa と書いており、本稿は両者の用語を統一していません。Lovisa さんのコイルは実測で 796 MPa と 877 MPa、応力ひずみ曲線は延性が乏しくぜい性に近い形でした。 Myuran と Mahendran も、屋根材と母屋が「高強度・低延性」の薄鋼だからこそ、繰り返しの吹上げで接合部が抜けやすいと書いています。
二つの研究は台湾や日本の屋根材を試験していないため、台湾のトタン屋根や日本の折板・波板に使われる鋼板の材質、板厚、強度区分、断面形状、留め方がこれらの研究と同じかどうかは、出典からは確認できません。当サイトも今回、それらの屋根材で行った屋根の疲労試験を見つけられていません。 強度が低く延性の高い鋼板で、穴縁が先に割れるのか、先に大きく引き伸ばされるのか、何回で起こるのかは、この二つの研究からは分かりません。 TR440 で台形板と波板の評価が逆になった例が示すとおり、断面形状が変われば結論は検証し直す必要があります。
持ち帰れるのは仕組みと順序です。繰り返しの風圧、ねじ周りの鋼板、軒先の一列目、荷重の移動、次の層の接合部。比率や回数は、オーストラリアの条件の中にとどめてください。
このページから言えないこと
台湾で飛ばされた屋根がすべて疲労によるとは言えず、さびが重要でないとも言えません。二つの研究は台湾の被災屋根を調べておらず、腐食も測っていません。 「40% SPC」はオーストラリアの G550、0.75 mm ハット形母屋をトラスに留める層の疲労限度で、屋根材の値でも、台湾や日本の屋根材の値でもありません。 Table 3.3 の回数は定振幅試験、単一コイルの結果で、台風が何時間吹けば何回に当たるかには換算できません。 Morgan と Beck の破壊経路は Lovisa 論文の要約によるもので、原論文は確認できていません。Myuran と Mahendran の試験でサイクロンワッシャーは屋根材の先行破壊を防ぐために使われただけで、その効果は測られていません。
二つの研究にはそれぞれ範囲があります。Lovisa さんの実験は単一メーカー・同一コイルの波板に限られ、星形き裂の発生だけを扱い、き裂の進展と最終的なプルスルーは範囲外です。 Myuran と Mahendran の設計式は G550-0.75 母屋の定振幅試験だけから作られており、著者ら自身が、実際のサイクロンは定振幅ではなく Low-High-Low のような多段階荷重で検証すべきだと述べています。 実大試験の重要な接合部はボルトと模擬ねじ頭で、Teks ねじそのものではありません。実際の屋根では引抜けや部材の破壊が先に起こることもあります。 オーストラリアの Low-High-Low 法は複数回のサイクロンによる損傷の累積を考えておらず、大きな風のあとに屋根材を交換することが前提です。
この記事は手順 1、相手材を扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。
よくある質問
台風で金属屋根が飛ぶのは、ねじが折れるからですか。
必ずしもそうではありません。1974 年のサイクロン・トレーシー後の調査(Walker 1975、Lovisa 2015 が引用)では、成形鋼板屋根の破壊の根本原因は屋根材とねじの接合部の疲労でした。繰り返す負圧でねじ周りの鋼板が割れ、ねじ頭が穴から抜けます。先に壊れるのは鋼板で、二つの研究は被災後のねじそのものの状態は調べていません。
屋根のどこから壊れますか。
Morgan と Beck(1977)がトレーシー後の屋根と比べた結果では、軒先近くの負圧の大きい範囲の内側一列目のねじ周りに先に疲労き裂が生じ、ねじが抜けると荷重が端部のねじへ移り、端部のねじが静的に抜けて屋根材が外れます。Myuran と Mahendran(2017)も、軒先と棟の近くで起こりやすいとしています。
金属屋根の疲労強度は静的強度の 4 割ですか。
この 40% は Myuran と Mahendran(2017)の値で、オーストラリアの G550、0.75 mm ハット形母屋をトラスに留める層の疲労限度です。屋根材の層の値ではありません。屋根材の層について文献は「ずっと小さい荷重」で起こるとしか書いておらず、比率は示していません。台湾や日本の屋根材にもそのまま当てはめられません。
台風後、ねじ周りの屋根材にき裂があったら、ねじを替えればよいですか。
Lovisa(2015)は、穴縁にき裂のある屋根材は雨水の浸入やさびを避けるために交換が必要としています。ねじだけ替えても、き裂は元の屋根材に残ります。これは当サイトの判断で、二つの研究はねじ交換の効果を試験していません。
参考資料
- Lovisa, A.(2015)—— Characterising the fatigue response of corrugated roof cladding、博士論文、James Cook University(ResearchOnline@JCU、オープンアクセス)
- Myuran, K. & Mahendran, M.(2017)—— New test and design methods for steel roof battens subject to fatigue pull-through failures、Thin-Walled Structures 119:558–571(QUT ePrints 著者版)
- PTT Kaohsiung 板、medama「[問題] 這次颱風後 會全盤檢討鐵皮屋嗎?」2024-10-03(中国語)
- 板が薄すぎると、ねじ山を保持できなくなります
- 締付け可能厚さとドリル能力は、箱に書かれた別々の数字です
二つの論文は全文を読み、数値は原文の表と節のとおりです。Walker(1975)、Morgan と Beck、Boughton ら(2011)、Boughton と Falck(2007)、Henderson(2010)は二つの論文の引用を通じたもので、原文は確認していません。Morgan と Beck の論文は Lovisa 論文では 1977 年、Myuran と Mahendran の論文では 1976 年とされており、本稿は 1977 年としました。投稿は全文を読みました。
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