タッピンねじ
タッピンねじは先端のねじ山で相手材を削り、めねじを切りながら進みます。切りくずが出ます。下穴は必要ですが、タップ立ての工程は要りません。工程を一つ省けるので、薄板と樹脂部品の組立でいちばんよく使われます。
仕様の選択肢
頭部形状
駆動部
先端形状の選び方
-
AB 形・A 形(とがり先)gimlet point
先端の案内がよく、穴に入れやすい形です。薄板や比較的やわらかい相手材に向きます。
-
B 形(平先)blunt point
先端が平らで、ねじ山が端面から始まります。板厚がある場合や、先端を裏に出したくない場合に使います。
-
17 形(溝付きとがり先)type 17
先端に溝を入れて切れ刃にした形です。切りくずの逃げがよく締付けトルクも低いので、木材や厚めの材料でよく使われます。
よくある失敗
いずれもロット単位の廃棄や現場での手直しにつながるものです。理屈の上での注意点ではありません。
下穴が小さすぎる、または大きすぎる。 小さければ頭が飛ぶか先端が折れ、大きければ締まらず引抜力も足りません。下穴径は材質と板厚で決まるもので、固定値ではありません。タッピン系で最も多い失敗の原因です。
板が薄すぎて、そもそもねじ山を保持できない。下限があり、それはよく引用される「かみ合い最低 2 山」ではありません——当サイトはどの一次規格にも見つけられませんでした。DIN 7975 が定めるのは板厚がピッチ以上であることで、ST 寸法ごとに設計上の板厚の範囲を挙げています。
| 寸法 | から | まで |
|---|---|---|
| ST2.2 | 0.8 | 1.8 |
| ST2.9 | 1.1 | 2.2 |
| ST3.5 | 1.3 | 2.8 |
| ST3.9 | 1.3 | 3.0 |
| ST4.2 | 1.4 | 3.5 |
| ST4.8 | 1.6 | 4.0 |
| ST5.5 | 1.8 | 4.5 |
| ST6.3 | 1.8 | 5.0 |
| ST8 | 2.1 | 6.5 |
| ST9.5 | 2.1 | 7.5 |
SUS304 で硬い材料にねじ込む。 304 はやわらかく、ねじ山が相手を削る前に自分が変形します。硬い相手材にはマルテンサイト系の SUS410 を選びます。熱処理で硬化できるからです。引き換えに耐食性は 304 に劣ります。
切りくずの行き場がない。 削る以上、切りくずは必ず出ます。止まり穴では逃げの空間を残さないと、穴の底にたまった切りくずがねじを押し戻します。締まったように見えて実際は座面が浮いている状態です。
長さの測り方
規則は一つだけです。頭が相手材に沈む形状は全長を測り、表に残る形状は首下を測ります。
| 頭部形状 | 基準 | 理由 |
|---|---|---|
| 皿 | 全長 | 頭が皿もみに沈んで面と同じ高さになるので、頭も長さに入る |
| 丸皿 | 頭部径までの全長 | 円すい部は沈み、丸みは表に残る。両者の境目まで測る |
| なべ | 首下 | 頭が丸ごと表に残る |
| ボタン | 首下 | 同上 |
| 六角・六角ワッシャーヘッド | 首下 | 同上 |
| 六角穴付き | 首下 | 同上 |
この種類を決める前に
どれも問いを一つだけ扱い、根拠にした規格と、その規格が有効な範囲を示しています。
- 下穴表は一点ではなく公差の帯である。下穴径は一つの数字ではなく帯であり、どこを狙うかを表が黙って決めている
- 下穴をどれだけ開けるか:決めているのはねじの外径ではない。穴径がねじ込みトルクとねじ山のかかりの両方を決め、どちらの端でも壊れる
- タッピン、盛り上げ、ドリル:まず相手材から。切削式は切りくずが出る。異物を許さない組立では成形式に替える
M6 以下の部品でしたら、極小ねじのページに このサイズ帯でしか出てこない四つの制約をまとめています。
お問い合わせ
タッピンねじは仕様の組み合わせが多くあります。品目、サイズ、材質、表面処理、年間使用量、用途をお知らせいただければ、可否と納期をご返答します。図面か現物があるといちばん早く進みます。実物に対して見積もるほうが、仕様表を往復して推測するより手間が少なくて済みます。
量産範囲 M1.0 – M5.0、標準締結部品は M16 まで。最小ロットは 10,000 本から、製品により異なります。
LINE 公式アカウント @WEISHIUN でも受け付けています
お見積り依頼
品名と数量をお知らせください。可否、納期、価格をご返信します。
直接メールでも承ります sales@tigerfasteners.com