太陽光架台アルミ形材のねじ引抜き:2.6 mm の壁では、M5 を M8 にしても約 2 割増し
強風で太陽光パネルが持ち上げられると、その力はアルミ架台を留めるねじにかかります。2026 年に Materials に載った試験は、肉厚 2.6 mm の 6063-T6 アルミ角パイプからねじを真っすぐ引き抜きました。径約 5 mm 以上では、壊れたのはすべてアルミ壁のねじ山で、ねじ自体は無傷。径を 4.92 mm から 7.90 mm に、断面で約 2.6 倍にしても、引抜き力は 6.3〜6.7 kN から 8.0 kN にしか上がりませんでした。読了まで約 6 分。
試験の方法
試験体は 6063-T6 アルミ合金の角パイプで、断面 60 × 110 mm、肉厚 2.6 mm。論文によれば市販の太陽光架台と屋上設置の一般的な仕様に合わせた寸法です。 ねじは二種類で、セルフドリリングのタッピンねじは壁に直接ねじ込んで自分でめねじを作り、小ねじは谷径の下穴をあけてハンドタップでねじを立てました。 どちらもメーカー指定のトルクで締め(数値は書かれていません)、軸方向に引き抜き、各組合せ 3 体ずつ試験しています。
二つの壊れ方
モード I:アルミ壁のねじ山がはがれる。ねじには目に見える損傷がなく、壁のめねじがせん断され、穴の周りが外側に盛り上がって、最大荷重で突然破壊します。
モード II:ねじが頭部下で破断する。折れた軸は壁に残り、アルミ面の変形はわずかです。
どちらになるかは主に径で決まり、最も細い 3.58 mm はモード II、約 5 mm を超えるとすべてモード I でした。
八組の引抜き力
| 試験体 | 径 D | ピッチ p | Fu | モード |
|---|---|---|---|---|
| タッピン SS-D3 | 3.58 mm | 1.3 | 4.36 kN | II(ねじ破断) |
| タッピン SS-D4 | 4.18 mm | 1.3 | 6.92 kN | II(ねじ破断) |
| 小ねじ MS-D5 | 4.92 mm | 0.8 | 6.32 kN | I(アルミ側) |
| 小ねじ MS-D5 | 4.92 mm | 1.1 | 6.71 kN | I |
| タッピン SS-D5 | 4.92 mm | 1.6 | 7.34 kN | I |
| 小ねじ MS-D6 | 5.82 mm | 1.1 | 6.32 kN | I |
| 小ねじ MS-D6 | 6.26 mm | 1.3 | 6.69 kN | I |
| 小ねじ MS-D8 | 7.90 mm | 1.3 | 8.00 kN | I |
モード I に入ると径の効きは小さくなります。7.90 と 4.92 mm の径の二乗比は 2.58、引抜き力の比は 8.00 ÷ 6.32 = 1.27、あるいは 8.00 ÷ 6.71 = 1.19 で、 約 2 割増しです(比は当サイトの計算)。解析を見ると、はく離応力は最初にかみ合う 2〜3 山に集中しており、2.6 mm の壁にはもともとそれくらいの山しか入りません。
感度解析も同じ方向を示し、弾性範囲で最も効く二つの変数はアルミの弾性係数(0.44)と肉厚(0.40)で、どちらも形材の性質でした。形材の幅は、壁が面外にたわむため負の影響でした。
本文と表が食い違うところ
2.3.3 節は、MS-D5 シリーズでピッチを 1.1 mm から 0.8 mm に下げると引抜き力が明らかに増えたと書いています。細目のほうが 2.6 mm の壁に多くの山がかむから、と。 ところが表 1 は 1.1 mm で 6.71 kN、0.8 mm で 6.32 kN で、減っています。どちらかが逆で、論文からはどちらとも判断できません。 また表 1 の SS-D4 はピッチ 1.3 mm、表 2 では 1.4 になっています。
細目の理屈自体は筋が通りますが、このデータはそれを支えていません。ピッチについて引用するなら、文ではなく表を見るべきです。
ねじを指定する人へ
薄いアルミでは、ねじより先に壁を見る。この試験では径約 5 mm を超えると太いねじの効果は小さく、肉厚とアルミ自体が主な変数でした。 2.6 mm の 6063-T6 とこれらのねじでの結果で、一般則ではありません(板が薄すぎると、ねじ山を保持できなくなります)。
細すぎると壊れ方が変わる。3.58 mm のタッピンねじは 4.36 kN で頭部下で破断しました。細いほうに削ると、弱点はねじ自身になります。
このページから言えないこと
表は試験の最大荷重で設計値ではなく、安全係数も掛けておらず、風荷重をねじの本数に換算もしていません。結果は肉厚 2.6 mm の 6063-T6 角パイプとこの八種類のねじのものです。締付けトルクの数値は論文にありません。
この記事は手順 1、相手材を扱います。全体の順序は相手材、ねじ、頭部、駆動部、表面処理、書類で、これを崩すと微調整ではなく手直しになる理由はねじの決め方にあります。
よくある質問
アルミ架台のねじを太くすると引抜き力はどれだけ増える?
2026 年の Materials の試験(6063-T6 角パイプ、肉厚 2.6 mm)では、径約 5 mm 以上はすべてアルミ側のねじ山が壊れ、径 4.92 から 7.90 mm で引抜き力は 6.32〜6.71 kN から 8.00 kN、約 2 割増しでした。この条件だけの結果です。
引き抜きで壊れるのはねじか、アルミか?
強さの釣り合いによります。同じ試験で、3.58 mm のタッピンねじは 4.36 kN で頭部下で破断し、約 5 mm 以上のねじではアルミのめねじがはがれてねじは無傷でした。感度解析ではアルミの弾性係数と肉厚が主な変数でした。
参考資料
- Zhang ほか(2026)—— Tensile Pull-Out Behaviour and Global Sensitivity Analysis of Fastening Screws in Photovoltaic Aluminium Support Structures、Materials 19(14):3070(オープンアクセス、CC BY)
- 板が薄すぎると、ねじ山を保持できなくなります
全文は Europe PMC から取得して読みました。表 1 の数値は原文どおりです。比は当サイトの計算です。本文と表 1 のピッチに関する矛盾、表 1 と表 2 の SS-D4 のピッチの不一致は、照合の際に見つけたもので、そのまま記しています。
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アルミ形材へのねじは、合金と質別(例:6063-T6)、肉厚、必要な引抜き力、タッピンかタップ立てかを書いてください。
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